恋愛をテーマにしたオペラは沢山ありますが、今回はとっても楽しいモーツァルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」を取り上げます。
当時の女性はそんなに浮気をしていたのでしょうか?
今の時代は…?

ここでは、コジ・ファン・トゥッテのあらすじを簡単に紹介したいと思います。

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アルフォンソの恋愛講座

イタリアのナポリでのお話し。
若い軍人のフェルランドとグリエルモとちょっと年配のドン・アルフォンソの3人が「女の浮気」について討論しています。

フェルランドとグリエルモは「自分たちの彼女は浮気なんてしない!」
アルフォンソは「女はみんな浮気をする!」

という具合です。
実際はどうなのかを確かめる為に「軍人2人の彼女が浮気をするかしないか」で賭けをすることにしました。

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フェルランドの彼女はドラベッラ、
グリエルモの彼女はフィオルディリージと言います。
二人は姉妹でフィオルディリージが姉、ドラベッラが妹です。

では、「賭け」の計画をお教えします。
1.軍人2人が戦争に行く。
2.姉妹に違う男性を紹介する。
果たして姉妹は浮気をしてしまうのでしょうか?

計画通りに軍人2人は戦争に行ったことにして、姉妹に新しい男性を紹介します。
そこで姉妹の前に現れるのは、変装したフェルランドとグリエルモです。

フェルランドはフィオルディリージに、
グリエルモはドラベッラに求婚します。
cosifantutte
最初は姉妹2人とも「私たちには大切な彼がいますから!」と拒みますが、最終的には浮気をしてしまいます。
軍人2人は憤慨しますが、アルフォンソになだめられ、姉妹も「2度と浮気はしない」と誓って仲直りをします。
これでアルフォンソの「恋愛講座」は終わりです。

モーツァルト晩年の作品

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791)は35歳という若さで亡くなりました。
その短い人生の中で20曲以上ものオペラを作曲しました。

この「コジ・ファン・トゥッテ」は1890年1月26日に初演されていますので、亡くなる前年の作品です。
モーツァルトはこの作品の後、亡くなるまでにオペラでは「皇帝ティトの慈悲」「魔笛」を書いています。

コジ・ファン・トゥッテとは

モーツァルトの他の有名なオペラは「フィガロの結婚」や「ドン・ジョヴァンニ」「魔笛」など、タイトルが日本語で訳されていたり、人物の名前ですが、この「コジ・ファン・トゥッテ」とは一体何でしょう?

コジ・ファン・トゥッテ(Così fan tutte)はイタリア語で「女はみんなこうしたもの」と言う意味です。
なので「女はみんな浮気をする生き物だ」というようなタイトルです。

実はこの「Così fan tutte」という言葉は「フィガロの結婚」の第1幕 スザンナ、伯爵、バジリオの三重唱の歌詞に出てくるんですよ。

レチタティーヴォの掛け合いが見どころ

モーツァルトと言えばアンサンブル(重唱)も素晴らしいですが、レチタティーヴォの掛け合いも面白いですね。

レチタティーヴォ(recitativo)とはイタリア語で「朗唱」などと訳されます。
ミュージカルでいうセリフの部分です。
でも、完全にセリフと言うわけではなく音程がしっかりつけられています。
レチタティーヴォの旋律は音楽の美しさより言葉のイントネーションを重視しています。

上手いオペラ歌手になればなるほど、このレチタティーヴォの掛け合いはとても楽しいです。
聞き手もレチタティーヴォが理解できるくらいイタリア語が分かるともっと楽しめますね。

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