ジョアキーノ・ロッシーニ(Gioachino Rossini)はイタリアの作曲家です。
美味しいものも好きだったようで美食家としても知られていますね。

そんなロッシーニは楽しいオペラをたくさん書きました。
中でも有名なのは「セビリアの理髪師(Il barbiere di Siviglia)」です。

ここでは、セビリアの理髪師のあらーいあらすじを紹介します。

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フィガロは恋のキューピット

場所はもちろんスペインのセビリア。
アルマヴィーヴァ伯爵はロジーナという女性が気になっています。
ロジーナは後見人バルトロと一緒に暮らしていて、そのバルトロはロジーナを自分のものにしようとしています。

伯爵はロジーナと直接話したことはありません。
バルトロの監視が厳しくてロジーナは自由に外出もできないのです。
伯爵は窓の外から「私はリンドーロという名前の貧しい学生です」と歌に乗せて自己紹介をするので精一杯です。
(ちなみに、リンドーロは偽名です。伯爵ということは黙っています)

伯爵はこの恋がどうにか上手くいかないかとバルトロ家に出入りする理髪師のフィガロに相談をしました。
フィガロはロジーナに会い、彼女の気持ちを探るとどうやらロジーナと伯爵は両想いのようです。

フィガロの案で伯爵は酔っ払いの士官になりすましたり、音楽教師になりすましたりしてバルトロ家に侵入します。
そこでロジーナと少し近づきますが、結局は大騒ぎになって追い出されてしまします。

バルトロはロジーナを伯爵にとられる前に結婚してしまおうと考えます。
ロジーナには「リンドーロは本当は嫌な奴で、ロジーナを伯爵と結婚させようとしている」と伝えました。
リンドーロと伯爵が同一人物だということを知らないロジーナはショックのあまりバルトロと結婚することを決めてしまいます。

その後、伯爵とフィガロがロジーナの部屋の窓から忍び込んできました。
ロジーナは「私を騙していたのね」と怒りますが、リンドーロが伯爵であると教えられ誤解が解けます。
そして、バルトロよりも先に2人で結婚証書を書き、めでたく結ばれるのでした。

barber

「セビリアの理髪師」のフィガロ=「フィガロの結婚」のフィガロ

「セビリアの理髪師」のフィガロと「フィガロの結婚」のフィガロは同一人物です。
どちらの作品も、フランスの劇作家ボーマルシェ(Beaumarchais)が書いた戯曲をもとにしています。
ボーマルシェは「フィガロ3部作」として「セビリアの理髪師」「フィガロの結婚」「罪ある母」という3つの戯曲を書きました。

というわけでこのオペラには共通する登場人物がいます。
フィガロ
アルマヴィーヴァ伯爵
ロジーナ(フィガロの結婚では伯爵夫人)
ドン・バルトロ
ドン・バジリオ
この登場人物に注目しながら2作品を見るのも楽しいかもしれませんね。

ちなみに、フィガロ3部作の3つ目「罪ある母」はダリウス・ミヨー(Darius Milhaud)というフランスの作曲家によってオペラ化されています。
罪ある母とはロジーナのこと。ロジーナが浮気をして子供を身ごもって…という内容です。

楽しい名曲の数々

ロッシーニの音楽は明るく楽しいものがたくさんあります。
このオペラの中にも名曲がたくさんありますね。

「私は町のなんでも屋」...フィガロのアリア。私はなんでも器用にこなしちゃうからいろんな人に頼まれ事されちゃって「フィガロ~!フィガロ~!」って呼ばれるんだ。大変だけど毎日楽しい!!

「今の歌声は」...ロジーナのアリア。今聴こえた歌声はなんて素敵なの。リンドーロは私のものよ。私はとっても優しい人間だけど、もしこの恋を邪魔する人がいるなら許さないわよ!!

この他にも楽しい曲がたくさんあります。
重唱も本当に面白いですね。
それぞれの役の気持ちが軽快な音楽に乗せて入り乱れます。

歌詞の意味が分かれば楽しさは何倍にも増しますので、より深く楽しみたい方はイタリア語の勉強もオススメです。
オペラDVDやオペラCDなどではもちろん、機会があれば是非生で一度セビリアの理髪師を楽しんでみて下さい!

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