レッド・ガーランド(Red Garland、1923年5月13日~1984年4月23日)は、アメリカテキサス州ダラス生まれのジャズピアニストです。
名前の「レッド」は若い頃に髪の毛を赤く染めていたころから付けられたそうです。

1978年と1980年には来日もし、日本のファンもそのピアノで魅了しました。

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元ボクサーの異色の経歴

ジャズピアノストの多くは幼少からピアノを弾き音楽に染まった生活を送っていますが、ガーランドはそうではありませんでした。
プロボクサーの経験もある異色の経歴を持つガーランドが音楽に興味を持ち始めたのは、17歳の時に父親からクラリネットをもらったことがきっかけでした。
ただ全く音楽に触れていなかったわけではなく、幼少から音楽を嗜んではいたそうです。
そしてその後ピアノにも興味を持ち始め、20代前半からはプロとして活躍し始めます。
24歳の頃には「モダン・ジャズ・ピアノの元祖」であるバド・パウエルと出会い、その影響を受けます。

red-garland

ちなみにボクサーとしての経験は30戦以上も数え、ほとんどの試合で勝利をおさめたそうです。
またミドル級で世界王座を5度獲得した伝説のボクサー、シュガー・レイ・ロビンソンと戦った経験もあるそうです。
プロボクサーを辞めたのは20歳の頃で、プロのジャズピアニストとして活動しはじめたのは22、23歳の頃でした。
ボクシングを辞めて数年でプロの音楽家とは今では考えられないことですね。

マイルス・デイヴィスのクインテットの一員に

そんなガーランドが有名になったのはマイルス・デイヴィスのクインテットの一員として演奏したことでした。
彼が30代前半の頃で、この頃に彼のアルバム「Groovy」も収録されています。

マイルス・デイヴィスが誘ったきっかけは、ガーランドのボクシングの強さだったとも言われています。
きっかけはボクシングだったかもしれまっせんが、ガーランドはその後欠かせないメンバーとして多くの録音を残していきます。

グルーヴィの象徴

ガーランドの残した録音をみてみると、代表的アルバム「Groovy」をはじめ「Red's good groove」「Groovin' red」とグルーヴの付いたタイトルが目立ちます。
その「グルーヴ」の言葉が特徴的なように、ガーランドの曲はグルーヴ感が溢れていてとても聴きやすい音楽が多くあります。
そのため初心者にオススメの1枚として紹介されることもしばしばです。

中でもこの「Groovy」はジャズの名盤として特に有名な作品です。
1曲目の「C JAM BLES」がよく取り上げられますが、全体を通してももちろん楽しめる1枚です。
「Will You Still Be Mine?」はジャズをあまり聴かない方でもハマってしまう曲ではないでしょうか。

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