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シューマンは独奏曲やピアノ伴奏曲などを多く残しており、ピアノの印象が強くあります。
しかし、数こそ多くはありませんが交響曲や管弦楽曲にも興味は示しています。
協奏曲も残しており、その中でもピアノ協奏曲とチェロ協奏曲は高い評価を得ています。
当時の協奏曲といえば、独奏楽器が華麗なテクニックでいわゆる名人芸とも言える技巧を披露するものが多くありました。
しかし、シューマンの協奏曲は独奏楽器とオーケストラが反応し合い、詩的な音楽を奏でているのが特徴です。
室内楽のような雰囲気も感じられると思います。
シューマンのピアノ協奏曲
このピアノ協奏曲は1845年に作曲されました。
またシューマンが唯一完成したピアノ協奏曲でもあります。
全部で3楽章から成り、2楽章と3楽章の間は休みなしで演奏されます。
シューマンはこのピアノ協奏曲の前にも、いくつかピアノ協奏曲の作曲をチャレンジしています。
しかし、すべて未完成に終わっています。
理由はシューマンのオーケストレーションが未熟だったとも言われています。
シューマンの妻であるクララ・シューマンがオーケストラも見事に書き上げるブラームスを尊敬していた(愛していた?)のは有名な話ですね。
シューマンにはないブラームスの才能にクララは心を動かされたのかもしれません。
ブラームスはシューマンの弟子でした。
また、エドヴァルド・グリーグのピアノ協奏曲は、シューマンのピアノ協奏曲に影響を受けたのではとも言われています。
ピアノ協奏曲の名盤
まず名盤としてお勧めなのは、クリスティアン・ツィマーマンのピアノとカラヤンが指揮するベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏が見事に絡みあった演奏です。
ツィマーマンの明るく豊かなピアノの演奏が魅力的です。
カラヤンがツィマーマンに合わせて指揮を振ったとも噂されています。
ツィマーマンはこの当時、カラヤンにオーケストラの演奏方法まで口を出したとも言われています。
ツィマーマンがシューマンの詩的な内面的な部分まで見事に再現している名演と言えると思います。
アルゲリッチのピアノ協奏曲もオススメです。
アルゲリッチ独特の情熱的な演奏に甘さも加わった感情溢れる演奏に仕上がっています。
人間としての強い意思も感じます。
スタンダードでは決してありませんが、聴き手を唸らせる演奏です。