ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのオペラ「魔笛」(Die Zauberflöte)はとても親しみやすいオペラだと思います。
ドイツ語のオペラですが、日本ではよく日本語で上演されているのも特徴的です。
日本で大人気のRPGであるドラクエやファイナルファンタジーのような、勇者がお供を連れて旅をする物語を彷彿させます。
物語がシンプルでわかりやすいため子供向けにもしばしば演奏されるオペラでもあります。
ここでは魔笛のあらすじを簡単に紹介したいと思います。
王子の冒険物語
いきなりですが、タミーノ王子は大きな蛇に襲われ気を失います。
それを助けてくれたのは、夜の女王に仕える3人の侍女。
でも、鳥刺しパパゲーノは「僕が君を助けた」などと嘘をつきます。
が…それはすぐバレます。
そうこうしている間に夜の女王が現れ、「私の可愛い娘のパミーナがザラストロっていう悪い奴にさらわれてしまったの。お願いだから娘を連れ戻してちょうだい(涙)」と言い、タミーノに魔法の笛をパパゲーノに魔法の鈴を渡します。
パミーナの美しい絵姿に心を奪われたタミーノはパパゲーノと共にザラストロの屋敷に向かうことになりました。
二人は屋敷の中で手分けをしてパミーナを探します。
パパゲーノはパミーナを見つけ出し「タミーノと一緒に助けに来たよ」と伝えます。
するとパミーナはタミーノのことが気になりはじめます。
結局、屋敷の人に捕まってしまったパパゲーノとパミーナ、また別ルートで捕まってしまったタミーノはザラストロの前で出会います。
そこで、実はザラストロは悪い奴ではなく、とってもいい人だということが発覚。
すでに恋に落ちていたタミーノとパミーナは恋人となるためにザラストロの試練を受けることになります。
パパゲーノもまだ出会っていない誰かと結ばれるために試練を受けます。
タミーノとパミーナは試練を乗り越え、はれて恋人となるのでした。
なんだかんだでパパゲーノにもパパゲーナという恋人ができました。
夜の女王とそのお付きの人々は落雷と共に消え去り、世界は平和に満たされるのでした。
パパゲーノの恋人探し
あらすじの中で省いてしまったパパゲーノの話をちょっとしますね。
ザラストロの屋敷で試練を受けることとなったパパゲーノ。
一人ぶつぶつと文句を言っていると顔を隠したお婆さんが近づいてきました。
パパゲーノはこのお婆さんと話してみることにします。
「お婆さんいくつ?」「18歳よ」
「はは…。お婆さん恋人いるの?」「もちろん。」
「へぇ。名前はなんていうの?」「パパゲーノ♪」
「え?」
お婆さんは雷と共に消えてしまいます。
少ししてまたお婆さんが現れ「私と恋人になるか地獄に落ちるかどっちがいい?」と究極の選択をさせます。
パパゲーノは仕方なく「お婆さんと恋人になる」と答えると、お婆さんの顔がはっきりと表れます。
実はそのお婆さんは18歳の可愛いパパゲーナだったのです。
と、分かったところで引き離されます。
パパゲーナがいなくなってしまったことにショックを受けたパパゲーノは自殺をしようとしますが、やっぱり止めて「魔法の鈴で呼んでみよう」ということになります。
するとパパゲーナが現れて、はれて恋人となるのでした。
聴きやすい音楽がたくさん
♪パパゲーノのアリア「おいらは鳥刺し」Der Vogelfänger bin ich ja
パパゲーノの自己紹介の歌(鳥刺しとは鳥を捕まえる人のこと)
♪夜の女王のアリア「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen
パミーナに「ザラストロを殺してきなさい。」って言う曲。
この他にも聴きやすくて楽しいアリアや重唱がたくさんありますね。
歌詞がわかれば楽しさは何倍にも増しますので、より深く楽しみたい方はドイツ語の勉強もオススメです。
オペラDVDやオペラCDなどではもちろん、機会があれば是非生で一度魔笛を楽しんでみて下さい!
このDVDは最近の公演なので映像も綺麗です。
そして、キャストも素晴らしく音楽も美しい!
オススメの一つです。