プッチーニのオペラ「トスカ」の終盤でカヴァラドッシによって歌われる「星は光りぬ(e lucevan le stelle)」は、数あるテノールのアリアの中でも特に人気の高い名アリアです。
ここでは、数々の名テノールによる「星は光りぬ」の聴き比べをしてみたいと思います。
ドミンゴの「星は光りぬ」
「星は光りぬ」はその歌われるシーンが故に、「演技の上手い二枚目のテノール歌手」が似合います。
3大テノールの一人でもある、プラシド・ドミンゴは歌唱力はもちろん、その演技力の評価も高く人気を博しました。
現在では指揮者やバリトン歌手としても活躍しています。
こちらの映像は、ライブ映像ではなく音楽に合わせて映像を後から撮影したものです。
カウフマンの「星は光りぬ」
ヨナス・カウフマンは現在のクラシック界を代表するテノール歌手です。
撮影技術は近年劇的に発達し、オペラの世界も最新鋭の映像技術が取り入れられるようになりました。
カウフマンのオペラを見ると、まるで映画を観ているかのようです。
アラーニャの「星は光りぬ」
人気と実力を兼ね備えた現在のテノール界のスーパースターとしてはロベルト・アラーニャも外せません。
カウフマンと同様に世界中の歌劇場から引っ張りだこのテノールです。
フランスのテノール歌手であるアラーニャですが、両親はシチリア出身でその声もイタリア的で輝かしい声です。
ドイツ的なカウフマンとは好みが別れるところかもしれません。
パヴァロッティの「星は光りぬ」
テノールのアリアを語るうえでは、パヴァロッティを外すわけにはいきません。
パヴァロッティはこの「星は光りぬ」と同じく「トスカ」のアリアである「妙なる調和」を重要なレパートリーとし、自身のコンサートではかなりの頻度で歌っています。
アルフレード・クラウスの「星は光りぬ」
こちらは通好みのスペインのテノール歌手、アルフレード・クラウスの「星は光りぬ」です。
自身の声のためにレパートリーを絞って活動し、美しく輝かしい声を晩年まで維持し続けました。
クラウスが最も好きなテノール歌手だと語る人も少なくありません。