「フランス語のオペラ」と聞いて皆さんがパッと思いつくのは、ジョルジュ・ビゼーが1874年に作曲したオペラ「カルメン」ではないでしょうか?
世界中で一番多く演奏されているオペラが「カルメン」だとも言われています。
最初から最後まで美しい音楽が散りばめられており、まさに音楽のフルコースを食べているかのようなオペラです。
それぞれの配役に重要な音楽的場面が与えられており、歌手にとってもやりがいのあるオペラでもあります。
カルメンを作曲したジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet/1838年~1875年6月3日)は、19世紀フランスの作曲家です。
実はオペラにおいては「カルメン」以外はあまり知られておりません。
オペラ「真珠とり」も美しい音楽でオペラファンには知られていますが、それ以外の方々には知られていないのが実状です。
ここではカルメンのあらすじを簡単に紹介したいと思います。
ジプシー女と兵隊の恋物語?ストーカー物語?
ジプシーの女 カルメンと真面目な兵隊 ホセの恋物語。
恋多き女カルメンは、ある日ホセを誘惑します。
婚約者のいたホセは、一旦踏みとどまりますが、
カルメンの魅力に負け恋に落ちます。
真面目な男性ほど遊び人に惹かれるのでしょうか…。
その結果、悪事をして逮捕されたカルメンを
兵隊(警察のような仕事もしている)のホセが
逃がしてしまう事件が起こります。
ああ、ダメな男。
この頃から、ホセのストーカー心は
芽生え始めています。
恋に盲目になったホセは
カルメンのことが好きな自分の上司を
ぶっとばしてしまします。
それが原因で兵にいられなくなり
兵隊をやめてカルメン一味の仲間になります。
カルメンは今で言うと密輸団のような悪者の一味。
ホセの転落人生の始まりです。
しかーし、
カルメンはすぐにホセに飽きてしまいます!
なんて自由な女性でしょう。
闘牛士 エスカミーリョが現れると
ホセに飽きたカルメンは
すでにエスカミーリョに夢中。
ホセは怒り狂い、嫉妬に狂います。
今すぐカルメンに復讐したいのだけれど
ちょうどその時
ホセの母が病に倒れたとの知らせがきます。
「ママのとこに一回帰るけど、また戻ってくるからな!」
と言って
ホセは一味から離れて、一度実家に帰ります。
それからしばらくして、
嫉妬の魂を忘れていなかったホセは
ナイフを持ってカルメンのもとに現れます。
カルメンはホセに
「あんたのことは死んでも好きじゃない! 殺せば!」
と言い放ちます。
そこでホセは本当にカルメンを殺してしまうんです…。
最後まで自由奔放だったカルメン。
ここで閉幕です。
全体としては、やはりストーカーのお話です。
ジプシーって何?
ジプシーとは
色々な土地を渡り歩いて生活をしている放浪者のことを言います。
カルメンは様々な土地を移動しながら密輸などの仕事をしていました。
ジプシーの女性は占いで稼ぐ人もいたようです。
オペラの中でも「カルタの歌」が出てきますね。
仕事として占いをしている場面ではありませんが。
カルメンの中にはスペインの音楽が詰まっています
ビゼーはジプシーを表現する為に民族音楽を取り入れています。
カルメンが歌う「ハバネラ」や「セギディーリャ」などにはフラメンコの様な音型やリズムが多用されています。
衣装もスペインの情熱的なものを良く見ます。
そういった衣装やダンスも見どころです。
最近では熊川哲也さんが「カルメン」を全幕バレエで表現されていましたね。
カルメンは名曲の宝箱
名曲がいっぱい
第一幕では
カルメンのアリア(ハバネラ、セギディーリャ)
第二幕では
エスカミーリョのアリア(闘牛士の歌)
ホセのアリア(花の歌)
第三幕では
ミカエラのアリア(何を恐れることがありましょう)
その他にも
ジプシーの歌、カルタの歌、5重唱(うまい話がある)などの重唱も聞きどころです。
歌詞がわかれば
楽しさは何倍にも増しますので、
より深く楽しみたい方は
フランス語の勉強もオススメです。
オペラDVDやオペラCDなどではもちろん、
機会があれば是非生で一度カルメンを
楽しんでみて下さい!
映像も音楽も楽しみたいなら、このDVDがオススメです。
まるで映画を観ているかのような錯覚にさえなります。
ヨナス・カウフマンのホセ役は目を奪われますね。