ポロネーズはマズルカと同様にポーランドを代表する民族舞曲です。
マズルカは庶民的なものですが、ポロネーズは貴族の間に伝わる民族舞曲です。
テンポのゆっくりとした三拍子を特徴とし、「ポロネーズリズム」と呼ばれます。
またポロネーズはバッハ以前から存在するとされており、とても歴史の長い音楽です。
ポロネーズは宮廷舞曲がもとになっており、元々は儀式や行進の音楽として使われました。
その名残でポロネーズには愛国的で英雄的な要素が含まれています。
ポーランドは他国から侵略されるなど政治的に困難な時期が多くありました。
そのためポロネーズはより愛国的・英雄的なものになったのかもしれません。
ショパンもポーランドの困難な時期の人物ですので、ポロネーズに思い入れが強いことは十分に納得がいきます。
スメタナやドボルザークの先駆けとなって民族音楽をクラシックに取り入れたのもショパンだったのです。
ショパンは16曲のピアノ独奏用のポロネーズを書いています。
最初にショパンがポロネーズを書いた第11番ト短調は、なんと7歳ときに作曲したとされています。
全16曲の中で、現在は第1〜7番が定番とされ録音が多く残されています。
その中でも「英雄ポロネーズ」と「軍隊ポロネーズ」は特に有名ですね。
第1〜7番を除いた残りの9曲は、ショパンの少年時代の作品です。
ポロネーズの名盤
ショパンのポロネーズの演奏でオススメなのは、ヴラディーミル・アシュケナージです。
ショパンのポロネーズには民族的な情熱と苦悩がつまっています。
それを見事に表現したのがアシュケナージの演奏と言えるかもしれません。
感情の動きがとてもよくわかる、歌を歌っているようなピアノの演奏が特徴的です。
録音状態も良いため、良いスピーカーでポロネーズを聴きたい方にもオススメできる名盤ではないでしょうか。
他にはカツァリスのポロネーズも面白いところです。
これはどちらかと言うと、歴史的な資料としても価値があります。
全16曲が収められているのがまずは嬉しいところです。
起伏の少ない演奏となっており好みの分かれる録音かもしれませんが、作品の素晴らしさは伝わってくる名盤です。
他のショパンの名盤として紹介しているフランソワの演奏もオススメですよ。
フランソワの演奏は、個性的で聴き手の心の奥に届くような芸術的なピアノを聴かせてくれます。