長明寺のある兵庫県西脇市高松町辺りは、かつて源頼政の所領地でした。
そのため源頼政のゆかりのものも多く、中でも長明寺にある源頼政の鵺退治像は歴史好きなら一度観ておきたい像です。
2005年の滝沢秀明さん主演のNHK大河ドラマ「義経」でも源頼政は登場しました。
源頼政役は宇梶剛士さんが演じられていました。
平家物語で描かれた逸話
この源頼政の鵺退治像は、平家物語の逸話をもとに描かれたものです。
鵺(ぬえ)とは平家物語などに登場する怪物で、サルの顔、タヌキの胴体、トラの手足、尾はヘビといった外見をしています。
平家物語では、近衛天皇を悩ませた鵺が御所に現れたときに、頼政が弓で射た様子が描かれています。
そして、頼政は退治した鵺の体を切り刻み、それぞれ笹の小船に乗せて海に流したとしています。
源頼政は実在した人物ですが、当然ながら源頼政の鵺退治像は空想の世界を描いたものということになります。
住所:兵庫県西脇市高松町(長明寺)
アクセス:西脇市駅より徒歩20分
源頼政とは
源頼政は、平安時代末期の武将・歌人で源氏でありながら平家と共に生きた人物であります。
保元の乱と平治の乱では勝者の側に属し、平氏政権下で源氏の長老として活躍し平清盛の信頼も獲得しました。
そして当時の平氏がほとんどを占める朝廷の中で、源頼政は公卿の従三位の位にいました。
平家の中で生きてきた源頼政ですが、一生をそのまま終えたわけではありません。
平家の不満が高まる中で、源頼政は後白河天皇の皇子である以仁王と共に平家を倒す計画を立てます。
しかしこの計画は成功せず、宇治平等院の戦いに敗れ源頼政は自害してしまうのです。
従三位の位についたのは75歳のことで、宇治平等院の戦いに敗れたのは77歳のことでしたので、当時の人物としてはかなり長生きしたことになります。
源頼政は、「新古今和歌集」でもみることができ歌人としても名をはせていました。
平等院最勝院の源頼政墓
宇治平等院で命を落としたことから、源頼政の墓は京都府宇治市の平等院最勝院にあります。
長明寺(兵庫県西脇市高松町)に比べれば、周りに他の観光スポットもありアクセスも便利ですので比較的訪れやすいかもしれませんね。
側にある平等院鳳凰堂はもちろんのこと、宇治川を中心とした景色もとても美しいですよ。