楽器にスポットを当ててクラシック音楽を楽しむテーマ、今回はチェロ編です。

チェロの誕生は文献から推察すると16世紀初めだと言われています。
ただし、しばらくの間は形も決まっておらず弦の本数すらも楽器によって異なりました。

少しずつ現代の形になり、今と同じ弦のC-G-D-Aの4弦になったのは、17世紀前半でした。
18世紀になると大きな音も次第に出せるようになり、 19世紀後半でエンドピンで楽器を支える奏法に定着し、20世紀初めにガット弦から現代使用されているスチール弦になりました。

ここではチェロが楽しめるクラシック音楽の名曲をいくつか紹介したいと思います。

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チェロの音色が楽しめるクラシック音楽の名曲

ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」


ドヴォルザークの「チェロ協奏曲」は1894年11月から翌1895年2月にかけて作曲されました。
「ドヴォコン」の愛称でも親しまれており、数々のチェロ奏者が録音も残しています。
芸術的評価が高いのはもちろんのこと、とても聴きやすい音楽であることも特徴で、クラシックファン以外でも抵抗なく入りやすい作品になっています。

ブラームスもこの作品に対して賛辞を送りました。

シューマン「チェロ協奏曲」


シューマンの「チェロ協奏曲」は1850年に作曲されましたが、彼の生前に演奏されることはありませんでした。
シューマンは協奏曲を3曲しか書いておらず、この他には「ピアノ協奏曲」「ヴァイオリン協奏曲」があります。
精神的に苦悩している印象の強いシューマンですが、この作品はデュッセルドルフ市の音楽監督に就任し精神的にも充実していたと言われている時期に書かれています。

シューマンらしい哀愁漂う美しい旋律に心が揺れます。

バッハ「無伴奏チェロ組曲」


バッハの「無伴奏チェロ組曲」はケーテン時代(1717年-1723年)に作曲されたと考えられており、6曲で構成されています。
バッハが忘れ去られていたようにこの作品も忘れ去られていましたが、1904年にスペインのチェリスト、パブロ・カザルスが演奏したことにより再評価されることになります。
カザルスは20世紀最大のチェリストと評され、世界をまたに活躍したチェリストでした。

もちろん今では「無伴奏チェロ組曲」はチェリストにとってとても重要な作品であり、聴き手にとっても人気の高い作品です。
こちらの映像は前述したパブロ・カザルスによる、無伴奏チェロ組曲第1番ト長調です。
音質は悪いですが、極上の演奏が楽しめます。

ブラームス「チェロソナタ第1番」


ブラームスは2つのチェロソナタを作曲しました。
この第1番は1865年に完成した作品で、第2番はその1886年に書かれています。
全3楽章の作品で緩徐楽章がないのは、敬愛するベートーヴェンの影響によるものだと考えられています。
第3楽章のフーガは、バッハの「フーガの技法」から引用したものです。

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