楽器にスポットを当ててクラシック音楽を楽しむテーマ、今回はティンパニ編です。
打楽器の仲間であるティンパニはオーケストラには欠かせない楽器です。
ドラムなど現代の私たちがイメージする打楽器と違って、音程があり正確な音程が出せることが特徴的です。
ティンパニの歴史はとても古く、その起源は紀元前2000年までにさかのぼると言われています。
今のティンパニのもととなるものは15世紀に誕生し、改良を重ねながら現在の形になりました。
ここではティンパニが楽しめるクラシック音楽の名曲をいくつか紹介したいと思います。
ティンパニの音色が楽しめるクラシック音楽の名曲
プーランク「オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」
プーランクの「オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」は1938年に初演された作品で、「オルガン協奏曲」と呼ばれることもあります。
管楽器が一切使われていないのが特徴で、管楽器の役割をオルガンが果たしています。
人民戦線運動やスペイン内戦の中、プーランクが友人たちと革命劇「7月14日」の上演に協力したためにそれが反感を買い、この作品の初演は大幅に遅れたそうです。
この作品は1934年に作曲が開始され、1936年にはほぼ完成していたことがわかっています。
エリオット・カーター「4台のティンパニのための8つの小品」
エリオット・カーターの「4台のティンパニのための8つの小品」は8曲から成り、6つは1950年に、2つは1966年に作曲されました。
ティンパニ独奏のための珍しい曲集で、普段馴染みのないティンパニの楽器を知るにはぴったりの作品です。
特殊奏法の他に、普段使わない奏法もこの作品では必要としているため賛否のわかれる作品でもあります。
エリオット・カーターはアメリカの現代音楽の作曲家で、1908年に生まれ、亡くなったのは何と100歳を過ぎた2012年のことでした。
カーターの書いた作品は難曲が多いため、ほとんど演奏機会のない作品も多くあります。
リヒャルト・シュトラウス「ツァラトゥストラはこう語った」
リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはこう語った」は1896年に作曲された交響詩です。
映画「2001年宇宙の旅」で何度も繰り返し流れ映画のテーマ音楽のように流れるため、この作品を聴くとどうしても宇宙を思い出してしまいます。
この作品では冒頭からティンパニが効果的に使われています。
映像はグスターボ・ドゥダメル指揮、ベルリンフィルによる演奏です。
マウリシオ・カーゲル「ティンパニとオーケストラのための協奏曲」
マウリシオ・カーゲルは「パフォーマンスが派手」という意味で有名な作曲家です。
「フィナーレ」では「指揮者が倒れる」という指示を出していたり、この「ティンパニとオーケストラのための協奏曲」では最後でティンパニの中に奏者が突っこむように指示されています。
以前はティンパニに突っこんでいる面白い映像が見られましたが、有名な楽曲ではないため残されている映像も少ないようです。
もちろん毎回コンサートでティンパニが壊されるわけではありません。
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