プッチーニのオペラ「トゥーランドット」の終盤でカラフによって歌われる「誰も寝てはならぬ(Nessun dorma)」は、荒川静香さんのオリンピックでのフィギュアスケートの曲として使われたことで日本でも一躍有名になりました。
オーケストラも壮大に鳴り響いておりカラフの役も力強い役なため、歌い上げることができるテノール歌手は自然と限られてきます。
ここでは、数々の名テノールによる「誰も寝てはならぬ」の聴き比べをしてみたいと思います。
パヴァロッティの「誰も寝てはならぬ」
「誰も寝てはならぬ(Nessun dorma)」と言えば、ルチアーノ・パヴァロッティ(Luciano Pavarotti、1935年~2007年)でしょう。
イタリアのテノールで、「キング・オブ・ハイC」と称えられました。
カウフマンの「誰も寝てはならぬ」
パヴァロッティがかつてのスーパースターであれば、現代のテノールのスーパースターはヨナス・カウフマン(Jonas Kaufmann)です。
その美貌と歌唱力で、世界から引っ張りだこの売れっ子テノールです。
クラウスの「誰も寝てはならぬ」
一般的に知名度は高くはありませんが、クラシックファンにとって外せないテノールがアルフレード・クラウス(Alfred Kraus)です。
「発声が美しい」と評されることもしばしばです。
亡くなる直前まで美しい声を維持していたのは有名な話です。
カウフマンと並んで現代を代表するテノール歌手、ファン・ディエゴ・フローレスは一聴すると二人の声は似ていないように感じますが「自分の発声とクラウスの発声は似ている」と雑誌で語っていました。
マリオ・ランツァの「誰も寝てはならぬ」
ここからはオペラ歌手と言うよりは、ポピュラー歌手の紹介です。
マリオ・ランツァ(Mario Lanza/1921年~1959年)は、アメリカの俳優兼歌手です。
エンリコ・カルーソーの伝記映画「歌劇王カルーソ」で人気を得ました。
38歳という若さで亡くなり、オペラ歌手としてデビューする夢は叶いませんでした。
アンドレア・ボチェッリの「誰も寝てはならぬ」
アンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)は、1958年生まれのイタリアのテノール歌手です。
サラ・ブライトマンとデュエットした「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」は1500万枚以上のセールスを記録しました。