今回はオペラではなくミュージカルを取り上げます。
それはレナード・バーンスタイン作曲の「ウエストサイドストーリー(West Side Story)」です。
「ウエストサイド物語」とも呼ばれていますね。
ミュージカルの名作の1つです。
バーンスタインは、ユダヤ系アメリカ人の作曲家ですが、作曲家であると同時に一流の指揮者でもありました。
また人物としては音楽家らしく変わった人物で、14歳からタバコを吸うヘビースモーカーで、妻と子はいましたが同性愛者だったと言われています。
ここではウエストサイドストーリーのあらすじを簡単に紹介したいと思います。
ニューヨーク版ロミオとジュリエット
舞台は1950年代のニューヨーク。
ジェット団(ポーランド系アメリカ人の少年グループ)
「この場所は俺たちの縄張りだ!!」
シャーク団(プエルト系アメリカ人の少年グループ)
「いや、俺たちの縄張りだ!!」
この2つのグループは毎日喧嘩が絶えません。
ある日、ノリノリのダンスパーティーが開かれました。
そこにはジェット団もシャーク団もいます。
そのパーティーで、この話のロミオとジュリエットは出会います。
ジェット団のリーダーであるリフに頼まれて仕方なくやって来た
トニー(元ジェット団、今は更正しつつある)
シャーク団のリーダーであるベルナルドの妹
マリア
二人は一目で恋に落ちますが、
すぐに引き離されてしまいます。
お互いのグループは仲が悪いですからね。
恋愛なんて認められません。
まさにロミオとジュリエット状態。
そんな中、
ジェット団とシャーク団の決闘が行われます。
マリアに頼まれたトニーはそれを止めに行きますが、
ベルナルドはリフをナイフで刺してしまいます。
親友のリフを殺されたトニーは突発的に
リフが持っていたナイフを手に取り
ベルナルドを刺し殺します。
その知らせを聞いたマリアは
トニーに対し「人殺し!!」と泣きます。
ですが、結局は愛しているので
「二人でどこか遠くの街へ、
争いのない街へ行きましょう。」
と約束します…が…
その約束は果たされません。
トニーはシャーク団に殺されてしまいます。
息も絶え絶えのトニーの側で
マリアは
「Te adoro Anton トニー愛しているわ」
と英語ではなくスペイン語で伝えます。
バーンスタインが
このミュージカルで伝えたかったことが
この一言に詰まっていると
私は思います。
ミュージカルとは
このブログでミュージカルを取り上げるのは初めてなので
軽く説明しますね。
ミュージカルは
音楽、歌、セリフ、ダンスから成る演劇です。
そう聞くとオペレッタと似ていますね。
オペレッタはドイツ語圏で
ミュージカルは英語圏で
それぞれ発展していきました。
ストーリーも音楽もそれぞれの特色が感じられますね。
ミュージカルはオペラと違い
マイクを使うことが特徴的です。
舞台と映画はちょっと違う
ウエストサイドストーリーは1957年に初演されました。
その4年後の1961年に映画化されます。
その際、楽曲の順番や、役名などが少し変更されました。
例えば、
ジェット団の歌う「クール」、「クラプキ巡査殿」の2曲は曲順が入れ替えられています。
シャーク団の歌う「アメリカ」は舞台版では女性だけで歌われますが
映画版では女性と男性の掛け合いで歌われています。
私は映画でこの作品を知り、
はまり、何度も繰り返し見ていたので。
初めて舞台を観劇した時、とても違和感を感じました。
この他にも変更点はありますので
違いを探してみることも楽しいですよ。
愛されるミュージカル
ミュージカルはオペラよりも身近に感じる。
というような感想を持っている方も多いかもしれません。
実際にアマチュアの方でも
合唱や吹奏楽で演奏したことがあるのではないでしょうか。
そういった時、
全体の内容や歌詞、その曲に込められた想いなどを理解していると
また違った演奏が出来ると思います。
ウエストサイドストーリーは
初演以降、多くの人に愛され、
ブロードウェイではもちろん
日本では宝塚歌劇団、劇団四季、少年隊や嵐など
沢山の団体によって上演されてきました。
まだ見たことのない方は
まずは映画を見てみたらいかがでしょうか。