「子供の情景」はシューマンの曲の中でも広く知られている曲集の一つです。
どの曲も親しみやすいのも人気のある理由の一つにあると思います。
シューマン自身も子供の情景について、少年時代の気持ちに戻って作曲したと言っています。
そのためテクニック的にも難しいものはそれほど使われておりません。
しかし、シューマンの特徴であるロマン的な雰囲気や詩的な部分は存分に感じることができます。

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シューマンの子供の情景

子供の情景は1838年に主に作曲されました。
そして約30曲作った曲の中から、曲を選び抜きました。
シューマンがクララとの結婚する約2年前の作品です。
精神的に充実した幸福な生活をおくっていたころかもしれません。
そのため、とても創造意欲に溢れている曲が集まっています。

「子供の情景」は全部で13曲から成っています。
それらの曲それぞれにタイトルがついています。
「トロイメライ」は特に有名ですね。
これらのタイトルはシューマン曰く「演奏の解釈のヒントとしてつけている」そうです。
タイトルと曲の雰囲気を結び付けて聴くと良いかもしれません。

曲のタイトルを日本語で簡単に書いておきます。
このイメージをもとに、曲も聞いてみてください。

第1曲「知らない国々」/第2曲「珍しい話」/第3曲「鬼ごっこ」/第4曲「おねだり」
第5曲「満足」/第6曲「大事件」/第7曲「夢(トロイメライ)」
第8曲「暖炉のそばで」/第9曲「木馬の騎士」/第10曲「むきになって」
第11曲「怖がらせ」/第12曲「子供は眠る」/第13曲「詩人の話」

子供の情景は子供用のピアノ曲ではない

schumann

シューマンは、「子供のためのアルバム」「子供のための3つのピアノソナタ」などのピアノ曲を作曲しています。
これらの曲は子供がピアノを勉強するために作られました。

それに対し「子供の情景」はテクニック的には難しくはありませんが、あくまで大人のためのピアノ曲です。
もちろん子供が弾いてもかまいませんが、子供用の曲ではないことは覚えておいてください。

子供の情景の名盤

まず名盤として紹介したいのがアルゲリッチの演奏です。
一般的なアルゲリッチのイメージの情熱的な演奏は少し控えめかもしれません。
しかし、レンジの広い表現やテンポの動き、音色の変化は彼女の演奏そのものです。
説得力のある聴かせる演奏に仕上がっています。

他にはホロヴィッツの録音も名盤として挙げられます。
「子供の雰囲気」と「ロマン派の芸術性」の二つを同時に感じられるのが特徴です。
子供と大人を共存させた見事な演奏として、この録音を選ぶ方も多くいます。
ホロヴィッツはこれ以外にも「子供の情景」を録音しています。
気に入った方は、他の年代の録音も聞いてみてください。

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