「ボレロ」や「展覧会の絵」などで有名なラヴェル(joseph-Maurice Ravel)はオペラも作曲しています。
オペラ「子供と魔法( L'enfant et les sortilèges )」は小澤征爾さんがグラミー賞を獲得したことでも知られていますね。

ここでは「子供と魔法」のあらーいあらすじをご紹介します。

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いたずらっ子でも本当は…

いたずら好きな子供が部屋で一人遊んでいます。
子供は勉強をまったくしていなかったので母親に怒られてしまいます。
また部屋に一人になった子供は逆ギレし、家具やペットに八つ当たりします。

ここから不思議なことが起こります。
1.肘掛椅子と安楽椅子が動き出す
2.ティーポットと中国茶碗が動き出す
3.時計が動き出す
4.暖炉の火が暴れ出す
5.壁紙の中の羊飼いの少年と羊飼いの娘が現れる
6.絵本のお姫様が現れる
7.小さな老人がはちゃめちゃな計算式を喋り出す
8.雄猫と雌猫がじゃれ合いながら子供を部屋の外へ連れ出す
9.木が動き出す
10.トンボが喋り出す
11.こうもりが喋り出す
12.蛙とリスが喋り出す

この動き出した家具や生き物たちは今までに子供がいたずらをしてきて、傷つけられたものたちです。
それぞれが順番に動き出して子供に恨みをぶつけます。

色々な家具や生き物たちの気持ちを知り、心細くなった子供は「ママ…」とつぶやきます。
すると、子供の周りにいた生き物たちが一斉に子供に攻撃し始めました。
その混乱の中で1匹のリスが怪我をしてしまいます。

子供はとっさにそのリスに近づき、怪我の手当てをします。
周りの生き物たちはその子供の優しさを感じ、みんなで子供を母親のもとへ連れていってあげました。

一人二役、三役

このオペラで特徴的なことは、一人二役、三役できるということです。
その組み合わせは演出によって様々ですが、例をあげてみます。

母親・中国茶碗・トンボ
肘掛椅子・木
安楽椅子・こうもり
ティーポット・小さな老人・蛙
時計・雄猫
火・お姫様・うぐいす
羊飼いの娘・ふくろう
雌猫・リス

大人が楽しめる子供の話

タイトルだけをみると子供向けのおとぎ話のように感じますが、実は大人になってから見るからこそ分かることが多い気がします。
子供の頃、素直になれなかったことや歯がゆい気持ちを思い出して最後にはほっこりします。

もちろんお子さんが見ても楽しめると思います。
と言うのも、各登場人物(登場家具?生き物?)が5分もしないで入れ替わり立ち代わり出てきますので、小さいお子さんでも飽きずに見ていられるのではないでしょうか?
また子供が主人公ですので親しみやすいかもしれませんね。

子供と魔法のオススメCD

子供と魔法と言ったらやはりこのCDではないでしょうか。
夏に毎年行われている「サイトウ・キネン・フェスティバル・松本」(現在の名称は「セイジ・オザワ・松本・フェスティバル」)で2013年に行われたライブ音源をCDにしたものです。
このCDで小澤征爾さんはグラミー賞を獲得しました。

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