楽器にスポットを当ててクラシック音楽を楽しむテーマ、今回はクラリネット編です。
クラリネットは木管楽器の一つですが、クラシック音楽の中では比較的新しい楽器で18世紀初めに作られました。
現在ではクラシック音楽のみならず、ジャズや吹奏楽でも大活躍している楽器です。
またB♭管、A管、E♭管(エスクラ)、アルトクラリネット(E♭管)、バスクラリネットなどといった多くの種類があります。
ここではクラリネットが楽しめるクラシック音楽の名曲をいくつか紹介したいと思います。
クラリネットの音色が楽しめるクラシック音楽の名曲
ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」
ガーシュウィンはアメリカの作曲家で、この「ラプソディ・イン・ブルー」はアメリカ的な芸術音楽の代表作品として知られています。
1924年のニューヨークのコンサートのために書かれた作品で、たった2週間でこの作品は書き上げられてそうです。
当時のガーシュウィンはオーケストレーションを短期間で書き上げる腕がなかったため、ホワイトマン楽団のピアニスト兼編曲者であったファーディ・グローフェがオーケストレーションを担当しました。
冒頭で聴こえるクラリネットの低音からのグリッサンドはリハーサルでクラリネット奏者がふざけて演奏していたフレーズをそのまま採用したそうです。
モーツァルト「クラリネット協奏曲」
モーツァルト「クラリネット協奏曲」は1791年に作曲された作品で、2006年英国クラシックFMのモーツァルトの人気曲第1位になった作品でもあります。
モーツァルトが書いたクラリネットのための唯一の協奏曲で、友人でフリーメイソンのアントン・シュタードラーのために作曲されました。
シュタードラーはウィーン宮廷楽団の名クラリネット奏者でもありました。
今ではクラリネットで演奏されていますが、当時はBass-klarinetという今ではほとんど見られない古い楽器で演奏されていました。
モーツァルト「クラリネット五重奏曲」
モーツァルトの「クラリネット五重奏曲」は1789年に作曲されました。
「クラリネット協奏曲」と同様にアントン・シュタードラーのために作曲された作品で、当時はBass-klarinetで演奏されていました。
シュタードラーのための作品であることから「シュタードラー五重奏」と呼ばれることもあります。
ブラームス「クラリネット五重奏曲」
モーツァルトの「クラリネット五重奏曲」に刺激を受けて作曲されたのが、このブラームスの「クラリネット五重奏曲」です。
1891年に作曲されたブラームスの晩年の作品であり、彼の室内楽を代表する作品でもあります。
初演は大成功を収め、アンコールによる演奏もおこなったそうです。
今でもモーツァルトの音楽は新鮮に聴こえるように、ブラームスにとっても100年前に書かれたモーツァルトの「クラリネット五重奏曲」は美しく新鮮だったのかもしれませんね。
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