かつて「仰げば尊し」は卒業式のシーズンになると至る所で聴くことができ、日本の唱歌代表曲として知られていました。
近年では他の曲を卒業式で歌うことが多いと思いますが、それでもほとんどの日本人が知っている曲です。
しかし驚くべきことに「仰げば尊し」の原曲は英語の歌詞だったのです。
1884年(明治17年)に発表
日本では「仰げば尊し」は1884年(明治17年)に発表されました。
その後、明治から昭和にかけては卒業式の定番ソングとして親しまれてきました。
作曲者は最近まで不明だった
「仰げば尊し」は外国の曲だという説は以前からありましたが、元の曲は最近まで判明していませんでした。
2011年にようやく発見
その原曲が発見されたのはつい最近の2011年のことです。
一橋大学名誉教授の桜井雅人さんが「Song for the Close of School」という「仰げば尊し」と全く同じ音楽の曲を見つけたのです。
この原曲は世界でも無名の曲であり、とても情報量が少ないそうです。
結局まだ作曲者は不明
作詞者こそT.H.ブロスナンと記載されていましたが、作曲者はH.N.Dとイニシャルしか記載されていませんでした。
この研究については現在もなされている状態です。
「仰げば尊し」の日本語歌詞
「仰げば尊し」の日本語歌詞はご存知の通り以下のようになっています。
明治の頃にできた歌詞であるため、現代の私たちにはとても難しい歌詞に感じられます。
仰げば 尊し 我が師の恩
おしえの庭にも はや幾年(いくとせ)
思えば いととし この年月
今こそ 別れめ いざさらば
互に睦(むつみ)し 日ごろの恩
別るる後(のち)にも やよ 忘るな
身を立て 名をあげ やよ 励めよ
今こそ 別れめ いざさらば
朝夕 馴れにし 学びの窓
蛍の灯火(ともしび) 積む白雪(しらゆき)
忘るる 間(ま)ぞなき ゆく年月
今こそ 別れめ いざさらば
「仰げば尊し」の英語歌詞
それに対して英語の歌詞は以下のようになっています。
日本語訳も一緒に記載します。
英語の方が文章の情報量も多いためか、英語の方が別れの情景が綺麗に心に浮かぶ気がします。
英語歌詞
We part today to meet, perchance,
Till God shall call us home;
And from this room we wander forth,
Alone, alone to roam.
And friends we've known in childhood's days
May live but in the past,
But in the realms of light and love
May we all meet at last.
Farewell old room, within thy walls
No more with joy we'll meet;
Nor voices join in morning song,
Nor ev'ning hymn repeat.
But when in future years we dream
Of scenes of love and truth,
Our fondest tho'ts will be of thee,
The school-room of our youth.
Farewell to thee we loved so well,
Farewell our schoolmates dear;
The tie is rent that linked our souls
in happy union here.
Our hands are clasped, our hearts are full,
And tears bedew each eye;
Ah, 'tis a time for fond regrets,
When school-mates say "Good Bye.
英語日本語訳
私たちは今日出発し、そして出会う、たぶん
神様が私たちを家に呼ぶまで
そして この部屋から 私たちは外に出て歩き回る
一人で、一人で歩き回る
そして 私たちが子供の頃から知っている友人たちは
過去に生きよう
しかし 光と愛の王国で
私たち皆は最後に出会いますように
古びた部屋よさようなら あなたの壁では
これ以上喜びの中で 私たちが出会うことはないだろう
声々が朝の歌に流れることも
午後の讃美歌が繰り返すこともない
しかし 将来 私たちが夢見るとき
愛と真実が感じられることを
私たちの最も楽しい日々は あなた
私たちの青春時代の学校の教室になるだろう
私たちが とても愛したあなたよ さようなら、
私たちの愛する級友よ さようなら
私たちの魂でつながった絆は 引き裂かれた
この幸せな集団の中の
私たちの手は強く握られ 私たちの心は満ちて
そして涙が目に溢れる
ああ 甘い悲しみの時がくる
級友が「さようなら」というとき、